数々の厄介事に見舞われた今季のパルマにとって、ノチェリーノの加入は数少ないポジティブな要素だった。昨年末に発覚した財政難、次々に変わるクラブの会長。買収問題に揺れる今年の冬、ノチェリーノはパルマにやって来た。
今季開幕前に保有権を持つミランから期限付き移籍でトリノに加入したものの、活躍とは無縁の半年間。12月から2月は人生でも最悪の時期だった。40日間で父と母を亡くし、逆風が吹き荒れるパルマで自分の実力を発揮しなければならない。「シーズンが終わったら引退する」と何度も自分に言い聞かせながらピッチで戦ってきた。
「そんな自分をパルマの人たちは暖かく歓迎してくれた。クラブが明日どうなるのかもわからない状態だったのに。クラブの従業員やチームスタッフの支えがなければ、最終節すら満足に迎えられなかっただろう。
来季のことはわからない。ミランとの契約はあと1年残っているが、状況は複雑。多くのものを与えてくれたパレルモと同じように、ミランも自分の家のように感じている。まだ表舞台で活躍したい。厳しい環境のパルマで、これだけのプレーが出来たのだから、落ち着いた環境ならさらに活躍できるはず」