期待された活躍から程遠いパフォーマンスに終始していることで、ファンから批判を浴びているローマのジェコだが、そんな彼が選んだ道は「黙々と練習に励む」というものだった。週中の紅白戦で2ゴールを挙げてスパレッティ監督にアピールしている。もっとも、練習でどれだけ点を取っても記録には残らないし、ファンの信頼回復にも繋がらない。
6失点の大敗を喫したバルセロナ戦や11月のレバークーゼン戦でも得点を挙げているが、リーグ戦で流れの中から得点を奪ったのは8月30日のユベントス戦が最後だ。シーズン開幕直後は好調な動きを見せていたものの、その後は極度の不振に陥っている。すべての始まりは9月26日。接触プレーで膝を故障したカルピ戦から歯車が狂い始めた。
復帰後のフィオレンティーナ戦では高いパフォーマンスを見せたが、インテル戦やトリノ戦ではイージーなシュートミスで決定機を逃して、勝ち点を失う結果を招いている。成績不振の責任を強く感じながらも、それを払拭するプレーを披露できていないのが現状だ。昨年末のジェノア戦では審判に暴言を吐いたことで、退場処分を受けた。
ローマの新監督に就任したスパレッティは、ジェコが抱える問題を解決しようと試行錯誤を続けている。単純な高さを当てにしてハイボールを送り込むのではなく、もっとジェコの長所を引き出せるような使い方をするよう選手たちに指示している。明日のカルピ戦で先発起用されるかは何とも言えない。だがジェコを使うとなると、スパレッティ監督は2連勝をもたらした「0トップシステム」を放棄することになる。