イタリア観光の際に注意しなくてはならないのが、スリだ。路上や駅などでバッグを盗られて貴重品を失ってしまえば楽しい旅行も台無しだし、身分証の再発行も手間がかかる。
最近のスリのお目当てはバッグや財布だけでなく、スマートフォンも標的になっているという。特に屋外で食事をするタイプのレストランやバールでは注意した方がいい。
メールを送ったスマートフォンをそのままテーブルに置く、ポケットから財布を出してリラックスする。これも危険だ。話し相手の方を向いたり、ウェイターに注文を告げようと体の向きを変えたその一瞬さえあれば、手慣れたスリなら犯行は可能なのだ。
観光客のスリ被害が相次いで発生したことで、一部の街ではレストランやバールが賑わう午後12時から午後3時まで重点的に警備を強化するシステムを導入している。警備員の存在自体が盗みを働く意欲を削ぐことに繋がる。さらにテーブルの上にiPhoneやバッグを無造作に置かないよう注意を促している。
「あるとき、テーブルに座っているグループのバッグをじっと見つめている少年がいました。自分がそれに気づくと、何も盗らずに逃げて行きました」と警備員は語る。
商店側の関係者からは「食事中の観光客が常にバッグに注意を払うなんて不可能ですから」と、新しい警備システムの評判は上々だ。