5月に予定されていた5度の競売でも落札者が現れず、パルマの運命は今月9日に開かれる最後の競売に委ねられることになった。ヨーロッパリーグの出場権剥奪、破産と降格。苦難に満ちた1年を経てから、今なおクラブ存続の危機に立たされるパルマだが、最後の競売に向けて明るい話もしておきたい。
今回のクラブ買収で大きな障害とされるのはスポーツ部門の負債だ。先週土曜日の記者会見で管財人が公表した負債額は2700万ユーロ。カッサーノを始めとする高額年俸選手が、未払い分の給与受け取りを辞退することで合意し、かなりの減額に成功した。わずかではあるが今後数日間の交渉でさらなる負債削減も期待できる。
降格によって生じる大幅な収益減少を補填する目的として、レガから支払われる補助金も負担軽減に貢献してくれる。補助金の金額は降格までのセリエA在籍年数によって定められている。1500万ユーロ(在籍3年以上)、1000万ユーロ(在籍2年)、500万ユーロ(在籍1年)。降格3クラブの最大合計が3000万ユーロと決まっていることから、パルマは1250万ユーロの補助金を手にする。
セリエBとはいえ、テレビ放映権料も大きなクラブ収入となる。2015-2016シーズンで見込まれる金額は800万ユーロだ。単純計算になるがスポーツ部門の負債(2700万ユーロ)から補助金(1250万ユーロ)とテレビ放映権料(800万ユーロ)を引くと、残りの負担額は650万ユーロ。次回競売の基本価格が450万ユーロなので、実質の負担額は1100万ユーロ前後ということになる。
所属している選手たちの給料、約2500万ユーロも負担することになるが、セリエB水準を大きく超える契約選手を始め、相当数の選手は売却されるだろう。クラブ買収を検討している投資グループ・実業家など、候補は9つある。9日の競売で1件でもオファーがあれば、パルマは生き残れるのだ。