クラブ消滅の危機に瀕するパルマの未来は、買収を希望する企業との個別交渉に懸かっている。これまでに予定された数回の競売で落札者が現れず、企業側の要望に沿って裁判所が直接交渉を認めることになった。参加者同士が金額を釣り上げる競売よりも、個別交渉の方が買収資金を節約できるという企業側の思惑でもある。
交渉参加には保証金90万ユーロの他に、企業の組織図や支払い人の苗字と名前が記載された書類の提出も義務付けられている。昨年末からクラブを運営していた「ダストラソ」や「マピグループ」が実体のない企業だったことから、同様の被害を防止するための措置である。保証金支払いと書類提出の期限は今日の24時まで。
シネコン経営者のコッラード氏と並び、入札の時点からクラブ買収の有力候補とされていた元プロ野球選手のピアッツァ氏。イタリア国内で買収作業を進めているのは協力者のジルベルト・ジェラーリ氏と数人の弁護士で、ピアッツァ氏本人は現在もアメリカに滞在しているものの、買収に関しては積極的なコメントを残している。
「交渉の期限は限られているが、私たちはクラブ買収に強い関心を持っている。だが感情だけで交渉は成立しない。心の中では決意を固めているが、思考は論理的にいかないと」