ナインゴランの保有権を巡るローマとカリアリの長い長い交渉は、ようやく終わりを迎えた。昨日の夜にローマ側は公式サイトでナインゴランの保有権買い取りを発表。獲得費用は当初の予定を大きく下回る、わずか900万ユーロだった。
もちろんこの移籍金の額にはカラクリがある。発表された買取金額900万ユーロに加えて、ボーナスとして400万ユーロが設定されているし、今回の交渉にはイバルボの保有権も大きく関係している。
順を追って説明しよう。ナインゴランの保有権買い取り費用を抑えるために、両クラブは幾度となく交渉を重ねてきた。月曜日から水曜日までに行われた話し合いではMFエクダルも交渉のカードに上がっていた。エクダルの保有権を一度ローマが買い上げて、来季はカリアリに残留させようという趣旨のものだ。
だがセリエAの複数クラブが興味を示しているエクダル本人に、カリアリ残留の意思はない。適切な売却先を探す時間がないサバティーニSDは、結局エクダルを交渉から外し、別の解決策を選ぶことになる。そこで浮上したのが当初から交渉のカードに含まれていたイバルボの保有権である。
今年の1月に250万ユーロで期限付き移籍していたイバルボを、500万ユーロでさらに1年残留させ、買い取りオプションとして移籍金800万ユーロを設定。ローマがチャンピオンズリーグ出場を決めた場合、ボーナスとして200万ユーロをカリアリに支払うという条件だ。ナインゴランの保有権と合わせて、約3000万ユーロの大型契約となる。
ローマへの完全移籍が決まったナインゴランは「素晴らしい1日になった。ようやく100%ローマの選手になることができた。大きな犠牲を払ってくれたクラブに感謝したい」とツイートしている。クラブとも年俸350万ユーロ、4年の契約延長で合意。半年前から抱えていた大きな課題を片付けたローマは、これからストライカー獲得に本腰を入れる。