ベローナ戦での勝利を強く願っていた選手たちが、引き分けという結果に落胆したのは言うまでもない。試合終了後の表情を見れば、別の結果を望んでいたのは明らかだった。それは試合中も変わらない。ベローナの徹底した守備ブロックの前に、ローマ選手陣は思うように攻撃を展開できないフラストレーションを抱えていた。
明らかに不満を感じていたのはデ・ロッシだ。先制点を許し、反撃が必要なタイミングでケイタとの交代を告げられると、ベンチで怒りを爆発させた。ペットボトルを地面に投げつけ、冷静になれと諭しに来たフィジカルコーチを手で跳ね除ける。すべてはガルシア監督の背後で起きたことだった。
もっとも、ベンチから立ち上がってフロレンツィの同点ゴールを喜ぶ姿を見れば、この怒りが遺恨を残すものでないことは想像できる。足首に故障を抱え、先週のセビージャ戦ではベンチスタート。昨日のベローナ戦でもケイタを先発させるか、ガルシア監督は試合の数時間前まで決めかねていた。
試合を終えた数時間後、選手たちはローマに到着。この時点でデ・ロッシが試合中に怒りを爆発させたことを問題視している者はいなかった。ガルシア監督でさえ知らなかったことだ。それでも開幕戦で勝ち点3を逃した事実は変わらない。これを払拭するには次節のユベントス戦に勝つしかない。