1995年に通し番号制が廃止されて以来、選手たちは好きな背番号を選べるようになった。スタメン11人が1番から11番を背負っていた時代の名残で、右サイドバックは2番、ストッパーは5番のイメージが今でも多少残っているが、選手たちがお気に入りの番号を選ぶ理由は実に様々である。
かつてインテルに所属していたトルコ人FWハカン・シュクルは、出身地であるサカリヤ県の県番号「54」を選んだ。選択可能な数字で一番大きい99番を選んだのはカッサーノ。当初はお気に入りだった18番(バーリ時代の背番号)が空いていなかったため、「9+9」の意味で選ばれた。ミラン時代に99番を付けていたロナウドへの敬意も込められている。
実際に背番号に「+」を付けてしまった選手もいる。インテル時代のチームメイトだったロナウドに9番を譲ったサモラーノは、1と8の間に「+」を入れて18番を「背番号9」にしてしまった。もっとも、この荒技は規定違反であり、インテルは試合のたびに罰金処分を受けていた。
ジョーク好きなGKたち
GKたちの好みも多彩である。サンプドリアのビビアーノは「慣れ親しんだ1番が空いてなかったから次の番号を選んだ。それに1+1は2だから」という理由で2番を選び、昨季限りで現役を引退したルパテッリは10番だった。かつてシエナに所属していたマルコ・フォルティンは14番を選んだ。理由は14を英語で発音すると「フォーティーン」だからだ。
別のスポーツで活躍している選手へのリスペクトから背番号を選ぶケースも少なくない。キエーボのメッジョリーニはバイクレーサー、ニッキー・ヘイデンの69番を付けている。アンブロジーニとマテラッツィが選んだ23番は、バスケットボール界のスター選手、マイケル・ジョーダンが由来だ。