前半20分で2点のビハインドを背負うことになったローマは、デ・ロッシの2得点でレバークーゼンに食らいついた。ピアニッチが当然のようにFKを決めて逆転に成功すると、後半27分にはカウンターからファルケが4点目を決めて、勝ち点3を目前にしていた。だが試合終盤に失速すると立て続けに2失点を喫し、あわや逆転というピンチまで招いた。
「前向きに考えられる要素も2つある。早い時間帯に2失点したにもかかわらず、プレーの質が落ちなかったことと、その状態から4点取れたことだ。ラスト10分は後ろに下がりすぎてしまった。ボールを回す技術があるのだから、時間をうまく使うべきだった。土壇場で勝利を逃したことは悔やまれるが、アウエーで勝ち点1は最悪の結果ではない」
CSKA戦の悪夢再び
グループリーグ突破を懸けた大一番で勝利を逃したガルシア監督は、悔しさを隠すように語っている。極寒のモスクワでロスタイムに失点した去年のCSKA戦と同じミスを繰り返している。2点のリードを奪いながら追いつかれたことを考えれば、今回の方がより大きな“失態”である。グループ最下位は変わらない。ガルシア、このような戦いでは駄目だ。
膝を故障しているファルケをベンチに置いたローマは、ピアニッチを2トップの背後に配置した4-3-1-2で試合に臨んだ。それでも開始30秒で決定的なピンチを迎えるなど、システムの噛み合わせの悪さを察知したガルシア監督は、前半10分で当初のプランを放棄。ピアニッチを中盤に組み込み、フロレンツィを左ウイングに回した4-3-3に移行した。
ジェコの投入
「最初の失点は特別な形だったが、こちらの陣内でボールを失った2点目は容認できない。相手が高い位置からプレスをかけてくることも分かっていたのに。フロレンツィを下げたのは体力的に限界が来ていたから。ジェコの投入はセットプレーの守備を考えたもの。この結果は守備陣だけでなく、チーム全体に責任がある」
ガルシアの判断ミスをひとつだけ挙げるとしたら、4対3になった時点でジェコを投入したことだ。怒涛の攻撃を続けるレバークーゼンを抑えるのに、1ヶ月もピッチを離れていたジェコを投入するのは論理的ではない。もちろん同点の責任がジェコにあるわけではない。だがあのタイミングでピッチに送り出すべき選手はカスタンだった。