フィオレンティーナとの首位決戦を制したローマが、714日ぶりにリーグ単独首位となった。2点のビハインドを背負いながら、試合終了まで反撃を続けるフィオレンティーナを相手に、高いインテンシティと技術で奪った勝利は、単なる勝ち点3以上の価値があると言ってもいい。両ウイングに守備とカウンターを徹底させたガルシア監督の勝利だ。
「選手たちが技術的にも戦術的にも優れたプレーを見せてくれたことで、貴重な勝利を手にできた。試合の鍵を握っていたのは守り方。ジェルビーニョとサラーの守備への貢献がとても重要だった。負担の大きい仕事だったが、ふたりとも役割を果たしてくれた。速攻と遅攻、二種類の攻め方を使い分けることができて、満足している」
先制点はサラー
火曜日にチャンピオンズリーグを戦ったばかりのローマだが、ガルシア監督はトロシディスとジェコを入れ替えただけのスタメンを組んだ。古巣対戦となったサラーは、フィオレンティーナのファンから強烈なブーイングを浴びることになった。先制点を挙げたのはサラー本人だ。右サイドから対角線上に放ったシュートがサイドネットを揺らした。
試合序盤から大混乱に陥ったレバークーゼン戦とは違い、ガルシア監督は明確な戦い方を貫いた。ボール支配を目指すことなく、中盤で守備ブロックを形成。コンパクトな陣形を保つことでフィオレンティーナの速いパス回しを分断しながら、連続してショートカウンターを繰り出す。昨日のローマからは、高い集中力と一体感を感じることができた。
カウンターから2点目
追加点は珍しい形から生まれた。フィオレンティーナのCKを弾き返すと、縦パスを受けたジェルビーニョが自陣から60mの独走。タタルサヌとの1対1を冷静に沈めた。スピードを武器にするローマの得意な展開だが、カウンター対策で後方に待機していたロンカリアの明らかなミスだ。スピード勝負では不利となるジェルビーニョを放置している。
2点を追うパウロ・ソウザ監督は後半にロッシを投入して、システムを3-4-3に変更。さらにババカルを入れて3-3-4と攻撃的な布陣を敷く。試合終盤にババカルのゴールで1点を返すも、前半から見られたカリニッチのシュートミスが試合結果に大きく影響した。結果的に、試合直前にサラーの先発起用を決めたガルシア監督の狙いが的中した格好となった。
「用意していたプラン通りの試合展開だった。序盤は高い位置からプレスをかける。先制してからは重心を下げてカウンターを狙う。デ・ロッシの起用自体にリスクはなかったが、交代したのは懸命な判断だった。水曜日の試合には使えないけれど、インテル戦には復帰できるはず。チームとして彼の欠場は痛いが、治療に専念できると考えればいい」