毎試合のように不安定な守備を露呈しているものの、今季開幕から続く好成績によって、ローマ主力選手の市場価値は軒並み上昇している。唯一の例外は未だに本来の実力を発揮できていないリュディガーだが、保有権の買い取り交渉に臨むサバティーニSDにとって、買取金額の高騰を回避できるのは好都合である。
総額6000万ユーロの価格高騰が起きるなか、短期間で評価を一変させたのがジェルビーニョだ。昨季終了後にアルジャジーラへの売却が決まりかけていたものの、最終的にはローマに残留。不甲斐ない1年に終わった昨季とは別人のような活躍でゴールを量産している。市場価値は数カ月前の2倍となる2000万ユーロだ。
最も市場価値が高いのは4000万ユーロのピアニッチ。今季7ゴールを挙げ、ローマ加入後の自己ベストを早くも更新している。クラブ資本がアメリカ人グループの手に渡った2011年の夏に加入して、現在も在籍する唯一の選手でもある。これまで複数のオファーが届いているが、ローマを納得させるには相応の金額が必要となるのは間違いない。
2012年にクロトーネから150万ユーロで保有権を買い戻したフロレンツィの市場価値も、当時とは比較にならない。24歳でキャプテンを務めることもある彼は、同様にクラブの下部組織で育ったトッティやデ・ロッシと同じ道を歩むことになるだろう。未来のキャプテンと目される彼の前では2500万ユーロとされる市場価値も、ただの数字でしかない。
この数ヶ月でマノラスの価値が跳ね上がるのも当然だ。今季のローマで誰よりも出場時間が長い彼は、代えの利かない貴重なセンターバックである。夏の市場終盤にはアーセナルやチェルシーからも話が届いた。現在の市場価値は3000万ユーロだが、今後の活躍次第でその金額はさらに上昇するだろう。