4ゴールのうち3点がPK。2対2の引き分けに終わったこの試合の主役は、ローマでもボローニャでもなくロッキ主審だった。前半15分にムニエが先制点を挙げるもオフサイドの判定でノーゴール。ここから誤審が連発する。ローマに与えられた2つ目のPKはファールではなかったし、ディアワラがエリア内で犯した明らかなハンドは見逃された。
曖昧な基準でPKの笛を吹いただけでなく、両チーム合わせて10枚の警告を出しながら、エリア内でファールを犯したトロシディスには2枚目の警告を出していない。前日から降り続く大雨によって芝生の状態は最悪。試合開始の判断も含めて、ピッチ上の誰よりも主審が泥沼にハマったことで選手が困惑する。そんな試合展開となった。
まったく転がらないボールに悪戦苦闘するローマを横目に、ボローニャは早い段階から芝生の状態に適した戦い方を見つけていた。ボール奪取からシンプルなカウンターを繰り出して、サーフィンをするかのように相手陣内へと攻め込む。ローマが低調なパフォーマンスに終始したことを差し引いても、この日のボローニャは今季ベストの戦いを見せた。
プールと化した芝生
ジェルビーニョ、サラー、デ・ロッシとチームの主力を怪我で欠くローマは、悪天候も大きな障害となった。ピアニッチの技術は水分を多量に含んだ芝生によって無力化され、頼みのジェコも中盤に下がって壁パス要員として組み立てに参加するばかりで、前線のターゲット不在に陥った。前半ローマが放った枠内シュートはFKによる1本だけである。
ローマはプレー内容を改善させた後半に2つのPKで逆転するも、悪癖とされる試合終盤の守備崩壊は相変わらずだ。ジャッケリーニの突破を止めきれず、エリア内でファールを犯し、古巣対戦となったデストロに同点のPKを沈められた。ピッチ状態の酷さを理由に試合延期を要請していたローマにとっては、受け入れがたいドローである。