スパレッティがローマの新監督に就任して1ヶ月半が経過しようとしている。ピッチ内外の習慣を自らの理想とする形へと変化させ、昨年末から極度の不振に陥っていたチームを瞬く間に蘇らせた。リーグ8試合で6勝1敗1分けという成績はスパレッティの努力の賜物である。朝早くからクラブハウスで仕事を始め、帰宅するのは日が暮れてからだ。
この数週間で選手たちの信頼を勝ち取ってきた。夫人の出産に立ち会わせるため、軽い怪我を抱えていたジェコを遠征メンバーから外したこともある。デリケートな問題には理解を示す一方で、ピッチ内の出来事には容赦しない。エンポリ戦勝利の立役者となったエル・シャーラウィに対しても2得点を称賛しながら、動き方のミスを厳しく注意した。
トッティも例外ではない。起用法への不満をメディアに漏らすという規律違反を犯すと、容赦なく招集メンバーから外した。この騒動はチーム内の結束を高める方向に作用した。リザーブ選手も含めて、選手全員がチームを形作る重要なピースであると認識するようになった。ジェコへのロングキックをミスしたシュチェスニーには英語で叱責している。
来季からは権限拡大
選手の中にはスパレッティの監督就任に懐疑的な印象を持っている者もいた。だがスパレッティが揺るぎない情熱を持ち、一貫した行動原則の元に仕事を進めていると理解するようになった。監督就任前には、あらゆる部署に意見を言える権限をパロッタ会長から約束され、今では様々な部署に顔を見せて、意見を出したりアイデアを共有したりしている。
ガルシア監督とは違い、遠征時の移動は飛行機よりも電車を好む。来季の補強方針にはスパレッティ監督の意向が強く反映されるだろう。これまで技術部門の責任者を務めていたサバティーニSDは今季終了後に辞任する可能性が高く、クラブ上層部は後任人事の選定を進めている。今のところは現エンポリのカルリSDが後任の最有力候補と見られる。