シーズン最終盤に起きたクラブ上層部とチームの軋轢は、サンプドリアを大きく揺るがすことになった。モンテッラ監督は方向性の違いからクラブ幹部と衝突し、今季限りでの退任も噂された。17日にはフェレーロ会長とモンテッラ監督、ロメイ弁護士がローマ市内で会談。数時間に及ぶ話し合いの末に、クラブ上層部はモンテッラの続投を決めた。
これは想像でしかないが、監督とクラブの双方にとって理想の解決策はモンテッラの代表監督就任だったのではないか。指揮官は理念を共有できないクラブ幹部から離れることができるし、幹部たちは残りの年俸を負担せずに別の監督を探すことができる。モンテッラが要求する夏市場でのチーム大改造も、収支の問題を抱えるクラブ側には悩みの種だ。
だが実際はそうならなかった。次期代表監督にはトリノのベントゥーラが有力視されており、トリノ側も来季の新監督としてミハイロビッチ招へいに動いている。モンテッラの続投が決まった今、関係悪化が取り沙汰されているオスティSDは居場所を失う可能性が高い。17日のトップ会談にも出席せず、会議の内容はロメイ弁護士から電話で通達された。
中盤の補強
夏市場に向けて本格始動するのは週明けだが、すでに複数人の補強候補が噂されている。前線から最終ラインまで補強ポイントは多岐に渡るが、指揮官が重視しているのが中盤の強化だ。モンテッラが理想とする美しいサッカーを実現するために、中盤のクオリティ向上は必要不可欠。重要なのはフィジカルの強さではなく、足下の技術と精神力である。
本命視されていたベシーノは先日、フィオレンティーナとの契約を2021年まで延長したことで獲得は不可能となった。補強リストの上位にいるのはナポリ退団を検討しているヴァルディフィオーリ、冬市場でも獲得に動いていたフィオレンティーナのマティアス・フェルナンデス。さらにイタリア復帰を目指すスポルティングのアクイラーニだとされる。