夏市場が閉幕した翌日、アタランタが補強の状況説明のために送り出したのはサルトーリTDではなく、ペルカッシ会長の息子であり、クラブの代表取締役を務めるルカ・ペルカッシだった。「補強に関して批判が出るのは当たり前。これは毎年のことだ。昨季終了時に約束したとおり、主力売却はひとりに留めた」
―ペルカッシ、夏市場では主力退団もありましたが、スポルティエッロは残留です。
売却した主力はデ・ローンだけです。6月に届いたオファーで、提示額も放出を許可できるものでした。何より選手本人から移籍を認めてほしいと連絡があったのです。自分の夢はプレミアリーグでプレーすることだから、交渉を成立させてほしいと。
クラブ側としても選手の意向を無視するわけにはいかなかった。代役を見つけるのがそれほど難しくなかったという技術的な理由もあります。ケシエの復帰が決まっていましたから。
―すでにケシエはデ・ローンに匹敵する選手なのでしょうか?
それは分かりませんが、将来的にはさらに上を目指せる選手だと考えています。いい機会なので伝えておきますが、ケシエは100%アタランタの選手です。どのクラブともオプション契約など結んでいません。
―去就が注目されていたゴメスの残留も決まりました。
今のアタランタにとって代えの利かない選手です。サッスオーロからオファーが届いていましたが、私たちは「売却不可能である」と放出拒否の姿勢を貫きました。不満を漏らさず、残留を選んでくれたゴメスの振る舞いにも喜んでいます。
ガスペリーニとの口論は否定
―スポルティエッロの移籍に関してはかなり揉めたようですが…。
夏市場を通して移籍の噂が出ていましたからね。結果的にその煽りを受けることになりましたが、それでも残留が決まりました。この2年間でトップクラスの活躍をしているGKですから、私たちも期待しています。
―まるでガスペリーニとの口論など存在しなかったような話し方ですね。
そもそも口論などしていません。監督はスポルティエッロを高く評価していて、状況の改善を要求していただけ。選手のパフォーマンス低下の原因が移籍市場にあると考え、クラブ側の動きに不満を感じたのです。
―しかし売却に向けて、市場最終日にフィオレンティーナと交渉していました。
最終日から始まる交渉は即時合意を目的としているわけではなく、今後に向けた調査がほとんどです。優秀な選手をたった1日の交渉で売却することはできません。
―では新たにベリシャを獲得した理由は?
GKは基本的に3人体制。最初からトップチームに3人いればユース選手を昇格させず、そのまま下部組織で育成することが可能となるのです。