センターフォワードの仕事ぶりが、そのまま試合結果に繋がったと言っていい。ジェコが2ゴールを挙げたローマに対し、ミリク欠場のナポリは先発出場したガッビアディーニが決定機を作り出せないまま後半10分過ぎに交代。ローマに3ゴールを奪われ、22試合負け無しだったスタディオ・サンパオロで黒星を喫した。
試合内容を考えてもローマの勝利は妥当である。ストロートマンとブルーノ・ペレスを怪我で欠き、ベンチ入りメンバーが8人だけという人員不足に陥りながらも、使える手駒を巧みに配置して勝利を手にした。開幕序盤から不安定な戦いを続けていたチームがインテルとナポリを倒して2連勝。勝ち点5差で首位ユーベを追撃している。
3バックから3.5バックへ
ナポリがキレのある動きを見せていた前半でさえ、ローマは的確に試合の流れを読んでいた。ボールこそ相手に委ねていたものの、事実上ピッチを支配していたのは彼らである。キックオフ時は3バックだったが、インシーニェにチャンスを作られてからは4バックに変更。スパレッティ監督によれば流動性の高い「3.5バック」である。
この可変式システムを実現させたのは、高い戦術理解度を誇るフロレンツィだ。攻撃時には後方を3人に任せて、中盤から攻撃に参加。守備の局面では4バックに移行し、右サイドバックとしてインシーニェの突破を封じた。左サイドのフアン・ジェズスはハーフラインより前に上がらず、カジェホン封じに専念していた。