ロスタイムも含めた98分間、両チームが試合開始から同じシステムを貫いた。デ・ブール監督が4-2-3-1を諦め4-3-3を選択したことも驚きだったが、スタメン起用された選手たちも予想とは異なるものだった。アンサルディ、カンドレーヴァ、バネガを先発から外して長友とブロゾビッチ、エデルをスタメン起用している。
先発メンバーが発表された段階で、インテルは4-4-2を組むというのが大方の見方だった。しかしデ・ブール監督は中盤にメデル、ブロゾビッチ、ジョアン・マリオを配置。前線にペリシッチ、イカルディ、エデルを並べた4-3-3を選択している。だが両翼が中盤に吸収され、事実上の4-1-4-1でイカルディが孤立する時間帯が続いた。
現在のアタランタにとって、4-3-3はもっとも与し易い布陣である。周囲の予想を覆す金星を挙げ、シーズン前半戦の分岐点とも言えるナポリ戦と同じ噛み合わせだ。システムは3-4-1-2だが、これは数字上の表記でしかなく実際はペターニャの1トップ。コンビを組むパプ・ゴメスは左サイドに張っていることが多い。
インテル戦では中盤の底にいるメデルをトップ下のクルティッチが見張り、中盤の4枚がそれぞれ正面の相手と対峙する。左サイドに張っているゴメスと長友が1対1の状況を作るかわりに、逆サイドのサントンには特定のマーカーを付けなかった。ナポリ戦でも同様で、左サイドバックのグラムを空けていた。
インテルの右サイドを攻略したアタランタの変則3-4-1-2 https://t.co/HV3dTkAOLD pic.twitter.com/pSMWJX6StL
— 長靴をはいた栗鼠 (@nagaguturisu) 2016年10月25日
キックオフ直後からインテルが立て続けに右サイドを破られたのは、アタランタが左右非対称のシステムを採用していることと、ペリシッチの守備意識の低さが原因だ。長友は対面のパプ・ゴメスを見ているが、後方から駆け上がってくるドラメをペリシッチが捕まえないことで、インテルの右サイドは数的不利の状況に陥った。