アタランタ3-0ジェノア
得点:クルティッチ(前半36分、前半45分+2 アタランタ)、ゴメス(後半39分 アタランタ)
悪魔に対して恐怖を抱くのは、己の中に弱い心がある場合だけだ。自らの行動に勇気と自信を持っていれば悪魔など虚構の存在でしかない。アタランタ対ジェノアはまさにそういう試合だった。ビッグクラブを除けば、ジェノアはセリエAでもっとも戦力が充実したクラブだと噂されるが、この試合を見る限りでは誤った認識である。
ジェノアが脅威を与えられるのは不安を抱えたチームを相手にした場合である。したたかで、勇敢で、組織的な今のアタランタはそれに該当しない。1対1を積極的に受け入れ、恐怖を打ち消す1万6000人のファンに背中を押されていた。
自らの下で学んだユリッチ監督と対峙したガスペリーニ監督は、開幕序盤から活躍を続けていたケシエを先発から外した。3-4-3を敷いて相手の出方を伺い、時間の経過とともに右ウイングに配置したクルティッチをトップ下に移動させて変則的な3-4-1-2を形成。ピッチ上のあらゆる場所で1対1の状況を作り、勝利を手にした。
守備、中盤、攻撃。3つのエリアでアタランタはジェノアを凌駕している。6試合で2失点と強固な守備ブロックを築いている最終ラインは、ジェノアの3トップに決定機をほとんど与えなかった。ドラメとコンコが前半で負傷交代するアクシデントに見舞われたものの、GKベリシャが最初にピンチを迎えたのは後半30分過ぎのことだ。
2点を追いかけるユリッチ監督は後半からシメオネ、ニンコヴィッチ、パンデフを投入する。しかしセンターフォワード2枚に対して数的優位を維持しながら5-4-1で応戦するアタランタの前では、ジェノアの4-2-4もさしたる効果は見られなかった。6試合で5勝1分け。このアタランタがどこまで上昇するのか見当もつかない。