―共有できるプロジェクトという話が出ました。ナポリでの最終年、インテルでの2年目には得られなかったものです。
論争を引き起こすつもりなどないが、インテルに関してはクラブ売却によって環境が大きく変わってしまった。私はモラッティ会長の要請を受け、前年9位に終わったチームを立て直す仕事を引き受けた。シーズン当初は2位を走っており、クラブ売却後も5位でシーズン終了を迎えた。経営陣の交代で難しい状況が生まれたのは間違いない。
―ワトフォードの監督に就任しても、キャリア的に後退とは考えていないようですね。
事実だからね。先程も言ったように、今のプレミアリーグは地球上で一番優れたリーグだと言える。優秀な指揮官が集まる場所で、私はそういった監督たちと戦うことになる。
技術的な観点から見れば今の状況はナポリ時代とよく似ている。2009年に監督就任が決まり、クラブは2007年にセリエA昇格を決めたばかり。私とクラブが共に成長していったんだ。新しいサイクルをスタートさせるという点でワトフォードも共通している。ナポリで結果を出せるようになったのは2年目以降だったが、今回は順調なスタートが切れた。
優勝候補の多いプレミアリーグ
―インテルの話題を続けます。イタリア人監督たちは国外でタイトルを獲得していますが、セリエAにやって来たオランダ人監督は解任されました。
デ・ブール監督の解任について私に話をする権利はない。ただ、イタリアには極めて優秀な監督養成システムがある。戦術レベルも他とは比較にならないものだ。
―イングランドのサッカーに関しては?
素晴らしいスピリットに満ちている。私だって諦めるのは嫌だし、最後まで戦うことを信条としている。外国人監督を招くことで技術レベルも向上しており、潤沢な放映権料でどのクラブも積極的な補強に動けるようになった。
―リーグ優勝するのは?
優勝候補は少なくない。マンチェスター・シティ、ユナイテッド、トッテナム、リバプール、アーセナル、チェルシー…。ヨーロッパ中を見ても、プレミアリーグほど優勝争いが混沌としているリーグはないはずだ。
―マンチェスターの2クラブは苦戦しているようですが?
ユナイテッドの話から始めよう。昨季はファン・ハール監督も相当に苦労していた。焦らずじっくりと仕事をする必要があるということだ。時間さえあればモウリーニョはきっと素晴らしいチームを作る。シティも多少の足踏みは見られたが、騒ぐほどのものではない。どちらの指揮官も優秀だし、開幕10試合で判断を下すのはあまりにも早すぎる。