数年前からイタリアのクラブは国際舞台での競争力を失っている。その一方でイタリア出身の指揮官たちが、世界各国で高い評価を受けているのも事実だ。環境の違いや言葉の問題に苦しみながら、サッカーに対する知識と発想力でハードルを乗り越える。勝利とタイトルを獲得する方法を教えることにかけて、イタリア人指揮官は世界有数の伝道師だ。
コヴェルチャーノの監督養成コースはアッレグリ、コンテ、カッレーラ、アンチェロッティを輩出した。彼らが率いるクラブは現在イタリア、イングランド、ロシア、ドイツのリーグ戦で首位を走っている。マルコ・ロッシ監督が率いるハンガリーのホンヴェードも、他2クラブと勝ち点で並んでリーグ首位で2016年を終えた。
CL決勝トーナメントを見ても、16チーム中4チームはイタリア人(アンチェロッティ、アッレグリ、サッリ、ラニエリ)が率いている。この流れはクラブ単位に留まらない。マルチェロ・リッピは中国代表監督に就任し、デ・ビアージ監督は下馬評を覆す快進撃でユーロ2016予選を突破。マルタ代表を率いるピエトロ・ゲディンもイタリア人である。
昨季はアッレグリがセリエAを制し、ラニエリがレスター・シティをプレミアリーグ優勝に導いた。昨年9月バレンシアの監督に就任したプランデッリは早々に辞任の意思を固めたが、アルバニアやモルドバでもイタリア人監督が率いるクラブが国内リーグで上位をキープしている。2017年もイタリア人監督たちがタイトルを獲得する1年となるだろう。