ジェノアに相当の苦戦を強いられたものの、ローマの2017年は白星で幕を開けた。オリンピコで戦えたラツィオ戦を除けば、10月下旬のサッスオーロ戦以来となるアウエー勝利。決勝点はイッツォのオウンゴールという幸運な形だったが、パヴォレッティとリンコンを放出し、ベローゾを怪我で欠いたジェノアとの戦力差は歴然だった。
先発復帰も予想されたマノラスだが、怪我の再発を恐れたスパレッティ監督はフアン・ジェズスを3バックに組み込んだ。両チームともにキックオフから速いテンポで試合を進める。しかしジェノアGKペリンが試合序盤に膝を負傷したことで途中交代。ユリッチ監督は前半10分にラマンナを投入することになった。
意外な形で先制点
サラー不在のローマは、ジェコの背後にナインゴランとペロッティを並べた3-4-2-1を敷く。最前線から下がってきたジェコが縦パスを送り、2人がゴール前に飛び出す攻撃パターンだ。しかし古巣のファンから口笛を浴びたペロッティは、ラゾビッチとイッツォのダブルマークに苦しみ、ナインゴランはコフィの密着マークで自由を奪われた。
前半36分にローマが先制する。ブルーノ・ペレスのシュートがイッツォに当たり、角度が変わったボールはそのままゴールに吸い込まれていった。意外な形でリードを奪ったローマは、攻撃のテンポを落としてジェノアの反撃を受け止める。ジェノアが作り出した唯一の決定機はGKシュチェスニーが好セーブで弾き返した。
躍動するシュチェスニー
後半に入るとローマは再び攻撃のギアを上げるが、ジェコが放ったボレーはポストを叩き追加点が奪えない。時間の経過とともに後退を始めるローマに対し、ジェノアは残り10分で新加入FWピニージャを投入。スパレッティ監督はブルーノ・ペレスを下げ、先発起用を見送ったマノラスを入れてエリア内の守備力を高める。
同点を目指すジェノアの猛反撃に遭いながらも、ローマが許した決定機は後半ロスタイムのひとつだけだ。シュチェスニーがオカンポスの際どいシュートをセーブして試合終了。完封勝利に貢献したシュチェスニーは、直近の5試合を2失点で切り抜けた。今やセリエAでもトップレベルのGKである。