公式戦3連敗を喫し、シーズン終盤戦に向けて不穏な空気に包まれていたローマだが、12日のパレルモ戦に勝利したことで安堵のため息をつくことができた。過密日程は今後も続くが、精神的に落ち着いた状態で木曜日のELリヨン戦に臨むことができるはずだ。
とはいえ、パレルモ戦3ゴール完勝の裏側には現在のローマが抱える問題が見え隠れしている。ここ数試合で露呈していた後半のリズム低下は依然として解消されておらず、後半開始直後には降格圏に沈むパレルモの反撃に苦しむ姿が見られた。EL勝ち抜けには2ndレグで相応の奇跡が必要になるが、パレルモ戦と同じパフォーマンスでは難しいだろう。
そういった状況ではあるが、先発で起用された新加入MFグルニエの活躍は大きな収穫だった。冬市場で加入したものの、これまで与えられた出場機会はフィオレンティーナ戦の終盤2分間のみ。事実上のデビュー戦となったパレルモ戦では、正確なキックでエル・シャーラウィの先制点をアシストするなど、初先発ながらピッチ上の誰よりも輝いていた。
古巣リヨンでは昨年5月に先発起用されて以来、公式戦から遠ざかる日々が続いた。試合勘の欠如を指摘する声も少なからずあった。そうした懐疑論をパレルモ戦の出場60分間で払拭したのだ。チームメイトが多くのボールを預けていたのも、彼が周囲の信頼を勝ち取った証拠である。夏市場で加入しながら未だ信頼を得られていないジェルソンとは違う。