またしてもイタリアのクラブが欧州大会から姿を消すことになった。90分を通してリヨンを圧倒し、オリンピコで勝利を手にしたローマだが、1stレグの4失点惨敗を挽回するには至らず、ベスト8を前にEL敗退が決まった。オリンピコで相手を制圧し続けたリズムや闘争心の半分でも1stレグで発揮できていれば、同じ結末にはならなかっただろう。
試合開始と同時に怒り狂ったように攻撃を続ける選手たちの姿を見れば、ローマがどれだけELを重視していたのかが分かるだろう。前半45分間のシュート数は11対2で、クロスバー直撃のシュートもあった。欧州大会のタイトルを目指していたのはチームだけではない。奇跡の大逆転を信じてオリンピコに詰めかけた4万を超えるファンも同様である。
1stレグを再現するかのようにセットプレーから先制点を奪われたローマだが、戦意を失うことなく失点から数十秒後にストロートマンが同点ゴールを決めた。ローマにとって誤算だったのはサラーとジェコが沈黙を続けたことだ。チーム全体で今季最多となる25本のシュートを放ったものの、2人のアタッカーは決定的な仕事ができずに終わった。
相手ゴール前で精彩を欠く攻撃陣の不調に加えて、ブルーノ・ペレスの出来も試合結果に響いた。繋ぎのパスやクロスに正確性が足りず、右サイドからの攻撃が機能しなかった。スパレッティ監督は後半15分に交代を決意するが、投入直後のエル・シャーラウィがオウンゴールを誘発する活躍を見せたことを考えれば、選手交代が遅すぎたとも言える。
スパレッティ監督はエル・シャーラウィに続いて、ペロッティとトッティを投入して、ピッチをアタッカー陣で埋め尽くす。バランスを度外視した総攻撃に出るが、逆にリヨンの危険なカウンターを浴びる。GKアリソンの活躍で失点こそ免れたものの、同様に好セーブを連発するリヨンGKロペスに阻まれ、勝ち抜けに必要な1点は最後まで奪えなかった。