夏市場でローマに加入したアレクサンダー・コラロフは、わずか1ヶ月で周囲の信頼を勝ち取ってしまった。チームメイトから「アレックス」と呼ばれる彼はサイドバックとして相手の突破を阻み、自慢の左足で攻撃を組み立て、ゴールまで決めている。開幕節アタランタ戦でローマに勝利をもたらしたのはコラロフの直接FKだ。
第2節インテル戦でもエリア外からポスト直撃のシュートを放ったように、コラロフの左足は今季のローマにとって大きな武器である。中盤を経由せず、たった一発のキックで最終ラインから前線にボールを運んで攻撃することも可能だし、ピアニッチ退団によって精度が低下していたセットプレーでも絶大な効果を発揮する。
残された最後のミッションは、彼のキャリアに不満を抱くファンたちを黙らせることだ。2007年から3シーズン、ラツィオでプレーしていたコラロフの加入を快く思っていないローマファンも少なからず存在する。「全員を納得させるのは不可能かもしれないが、今はローマのために全力を尽くすと誓う」とコラロフは話している。
ローマがコラロフ獲得に費やした金額は、ナポリがローマからマリオ・ルイを獲得した際に発生した移籍金の半分だ。高い技量とチームへの貢献度を考えれば、このビジネスはローマにとって間違いなくプラスとなる。