筋肉の故障によってコンディションを落としているデストロの代役として、ボローニャのドナドーニ監督は土曜日のフィオレンティーナ戦で、新加入FWパラシオを3トップの中央で先発起用している。パラシオは1ゴールを挙げ、ポスト直撃のシュートも放った。試合には敗れたものの、ドナドーニ監督の判断は正しかったということだ。
質の高い動きと多くのプレーに絡む運動量、チームへの高い献身性がパラシオの持ち味だ。状況判断に優れ、誰よりも早く必要な動きを実行できるレジスタのような頭脳を持つアタッカーである。35歳という年齢ながら、質・量ともに申し分のない働きを見せるパラシオは、まさにボローニャが求めていたピースだといえる。
これまでのボローニャにはデストロに代わるCFがいなかった。昨季の冬市場で獲得したペトコビッチは成長過程にある選手で、チームの主力を務められるレベルには達していない。絶対的なエースでありながら好不調の波が激しかったデストロは、パラシオの加入によって状態を整える時間と定位置争いのモチベーションを得た。
ドナドーニ監督にしてみれば、パラシオがいることで前線の選択肢が増えた。CFを専門にするデストロとは違い、パラシオはトップ下でプレーすることもできる選手で、ナポリ戦では実際に2人を同時に先発起用している。35歳という年齢によって長期の活躍は期待できないが、少なくとも今季のボローニャにとっては貴重な選手だ。