2つのオウンゴールを含む4得点で昇格組ベネベントに圧勝したローマ。多くのチャンスを作り、ポストに弾かれたシュートも2つあった。開幕4試合で3勝。3度目の無失点試合である。一方のベネベントは開幕5試合未勝利で単独最下位に。戦力的に厳しいチームでセリエAを戦うことになったバローニ監督は早くも窮地に立たされている。
前節ベローナ戦から先発5人を入れ替えたディ・フランチェスコ監督に対し、バローニ監督は6失点を喫したナポリ戦の先発から4人を入れ替えた布陣で勝ち点獲得を目指した。しかし後方で守備ブロックを作らず積極的に前に出てくる戦い方は、技量で大きく上回るローマを相手にするには無謀な判断だったと言わざるをえない。
ローマの左サイドを構成するコラロフとペロッティを抑えられず、結局は2トップのひとりであるプスカシュを右サイドに回し、ライン際をプロテクトする仕事を託すことになった。オウンゴールによってローマが2点目を挙げた前半35分で事実上の試合終了。その後のベネベントは抵抗力も失い、ホームの観衆からブーイングを浴びた。
ディ・フランチェスコ監督は、出場機会を得られていなかった新加入MFゴナロンをこの試合で先発起用した。中盤の底で最終ラインをプロテクトし、効果的な組み立てでスピーディーな攻撃を演出したゴナロンは、セリエAデビュー戦ながら高い貢献度で指揮官の期待に応えた。能力的にはデ・ロッシの代役も十分に務められる選手だ。