故障でデストロを失い、35歳のパラシオは週末のフィオレンティーナ戦で先発起用。火曜日のインテル戦でボローニャのドナドーニ監督は、23歳のFWペトコビッチを今季初めて先発布陣に加えた。ヴェルディとディ・フランチェスコを両翼に配置した3トップがインテル守備陣を苦しめる光景は、指揮官の判断が正しかったことを証明している。
ディナモ・ザグレブをはじめ、クロアチアクラブの下部組織で実力を付けたペトコビッチがイタリアにやって来たのは2012年のことだ。カターニャの下部組織を経てトップチームデビューを果たしてからは、複数のセリエBクラブを渡り歩きながらイタリアの環境に順応していく。今ではイタリア語も流暢に使いこなす。
カターニャ時代からペトコビッチに注目していたボローニャのビゴンSDは、昨年の夏市場で獲得を試みたが交渉は成立しなかった。保有権を持つトラーパニの要求額は市場価格を大きく超えるもので、ほぼ無名の若手選手にボローニャが投資できる額ではなかった。結局は今年1月の冬市場にて120万ユーロで獲得に漕ぎ着けた。
ボローニャ加入後は室内練習を重ね、栄養管理にも気を配るようになった。今季開幕前の夏合宿で筋肉量を増やし、192cmの長身に頑強さが加わった。恵まれた体格から「クロアチアのイブラヒモビッチ」と呼ばれることもある。今年の夏市場では複数のセリエBクラブが獲得に乗り出したが、ボローニャ上層部は最後まで放出を拒んだ。
頑強な肉体と柔らかいボールタッチを武器にするペトコビッチだが、CFとしてはゴールへの意識が極端に低い。前線でパスを受けてもゴールを狙わず、すぐに味方を探す傾向にあるため、ドナドーニ監督は意識を改善させようと毎日の練習で働きかけている。セリエA初ゴールを挙げることができれば、メンタリティも変化するだろう。