メデルの決勝点でCL出場権争いのライバルであるローマを下し、続くトリノ戦にも勝利したインテルは8勝3分け1敗で、フィオレンティーナと並び首位を走っていた。12試合で挙げたゴールはわずか12で、得点力不足は課題として残っていたが、強固な守備に支えられて着実に白星を積み重ねるチームには賞賛の声が集まった。
開幕12試合すべてで異なる先発布陣を敷いたマンチーニは5つのシステムを採用し、試合途中にも度々変更を加えていた。トリノ戦では、フィオレンティーナ戦で4失点を喫した3バックを使い無失点勝利。12試合で7度目のウノゼロ勝利という驚異的な勝負強さで、インテルはセリエAを牽引する存在となっていた。
それでもインテルに対して批判的な論調が消えることはなかった。サッカーに美しさを求める人間たちは、「彼らの栄華はもうすぐ終わる。インテルの攻撃には流動性や崩しのバリエーションが少なすぎる」と指摘していたが、「フェリペ・メロやメデルが中盤を支えるチームにスペクタクル性を求めること自体が的外れだ」という意見もあった。
第13節フロジノーネ戦は、サンシーロで4ゴールを挙げる祝宴の90分となった。戦力的に大きな差があるクラブが相手だったのは事実だが、得点力不足を理由に批判的な立場を崩さない人間たちへの強烈なメッセージとなったことも間違いない。11月30日には上位を争うナポリとのアウエーゲームが待っていた。