宿敵ジェノアに為す術なく敗れ、試合後のデル・ネーリ監督はひどく落胆していた。
「こういった結果になって残念だ。特にファンに対して申しわけなく思う。もっと良い試合ができたはずなのに、実力をまったく発揮できなかった。トリノでのユベントス戦も同じで、あの日も私たちは試合に入れなかった。9月のフィオレンティーナ戦も同様だ。時間の経過とともに盛り返すことはできたが、最初の20分は酷いものだった。
責任は全員にある。今日の試合に限って言えば、どの選手のパフォーマンスも不十分だった。立ち上がりは決して悪い内容ではなかったが、前半10分のPKですべてが変わってしまった。精神的に追い詰められた私たちに対して、ジェノアは勢いに乗り、高いインテンシティでスペースを狙い始め、あらゆる接触プレーで勝つようになった」
ダービーでの3失点惨敗によって、クラブの信頼は大きく損なわれた。週中のコッパ・イタリア、リボルノ戦に向けたトレーニングが始まると、練習場に詰めかけたファン数十人が選手たちに批判の言葉を浴びせた。リボルノ戦のチケットはホーム開催にもかかわらず売れ行きが芳しくなく、試合前日までに販売されたのはわずか1400枚だった。
コッパ・イタリア敗退
ファンの信頼を取り戻すための試合でもあったリボルノ戦で、サンプは再び失態を犯す。週末のミラン戦を見据えてカッサーノを招集メンバーから外すなど、主力を温存したデル・ネーリ監督だが、その判断は裏目に出た。後半立ち上がりにマンニーニのゴールで先制するもオウンゴールで追いつかれ、後半40分過ぎに逆転される。
温存していたFWパッツィーニを慌てて投入したが、ロスタイムを含めた数分間だけではどうにもならなかった。リーグ14試合で6ゴールという極度の得点力不足だったリボルノにホームで敗れ、コッパ・イタリア敗退が決定。選手たちは空席の目立つルイジ・フェラリスで、約4000人のファンから非難の口笛を叩きつけられた。
デル・ネーリ監督の手腕を疑問視する声も出てきていたが、代表取締役でもあるマロッタGDは指揮官を信頼していた。「不安を感じる時期にいるだけで、過度に心配するような状況ではない。そもそも開幕序盤が予想以上の出来だった。好調を維持できなくなるのも想定済みで、監督の責任を問うなど馬鹿げている」と擁護のコメントを出した。
だがクラブ上層部の願いも虚しく、週末のミラン戦も悲惨な結末を迎えた。試合開始1分にFWボリエッロのヘッドで先制を許すと、その後もミランの攻撃を跳ね返せず、前半25分までに3ゴールを奪われる展開に。主力数人を出場停止で欠く苦しい先発布陣を強いられたのも事実だが、チームがまったく機能していないのも明らかだった。