ローマに引き分けて公式戦の連敗を3で止めたサンプドリアだが、その後も調子が上向く気配は見られなかった。2009年最後の試合となったリボルノ戦はカッサーノのゴールで幸先よく先制するも、その後に3点を奪われて逆転負け。チームが重苦しい空気に包まれる中、クリスマス休暇によるリーグ中断に入った。
12月20日のリボルノ戦終了後、約1週間のオフを与えられた選手たちは28日に再集合し、1月6日パレルモ戦に向けて調整を始めた。しかし年明け最初のゲームとなったパレルモ戦に引き分けたサンプドリアは4日後のナポリ戦にも敗れ、リーグ6試合未勝利となった。
一向に改善の兆しを見せないチーム状況を変えるべく、冬市場でローマMFグベルティとミランGKストラーリを獲得。デル・ネーリは新加入2人を1月17日のカターニャ戦で先発起用するが、ここでもサンプは勝利を手にできなかった。試合序盤に先制され、前半終了間際にパッツィーニのPKで追いたものの、最後まで逆転弾は生まれなかった。
試合終了の笛が吹かれると、勝利を期待していたファンから猛烈なブーイングが巻き起こった。逃げるようにロッカールームに姿を消した後も選手たちの災難は続く。タクシーで帰路についたパッツィーニは赤信号で停車しているところをファン2人に発見され、突然ドアを開けられて罵声と中傷の言葉を浴びせられた。
5失点の大敗を喫した10月下旬のユベントス戦から、リーグ11試合で1勝6敗4分け。最後に勝利したのは11月22日のキエーボ戦で、コッパ・イタリアを含めれば8試合未勝利という悲惨な状況に陥っていた。9月下旬にはインテルを倒して単独首位に踊り出たサンプだが、開幕序盤の勢いは完全に失われ、気がつけば順位も11位になっていた。
マロッタGDはデル・ネーリ擁護の立場を崩さなかったが、「ブーイングは当然だ」とファンの不満に理解を示した。「抗議と称賛は表裏一体である。スペインでは白いハンカチを振るが、私たちイタリア人は口笛を吹いて抗議する。攻撃陣に問題があるとは考えてE
ない。開幕序盤ほど点が取れなくなったことが課題で、監督と話し合うつもりだ」
カッサーノとパッツィーニという強力な2トップを擁しながら、直近のリーグ11試合でサンプドリアが奪ったゴールはわずかに6。得点力不足を解消するためにデル・ネーリ監督が選んだ解決策は、「カッサーノ外し」だった。