多くのサッカー選手は現役を引退してから指導者や解説者、クラブ幹部となってサッカー界で仕事を続けようと考える。だがジェノアMFオスカル・ヒリェマルクはファッションの世界に進むために勉強を始めている。昨年夏にはギリシャのパナシナイコスに期限付き移籍したが、バッラルディーニ新監督の誘いに応じて1月からジェノアに復帰した。
――ヒリェマルク、ジェノア復帰後のあなたは別人のようです。
いや、人間としては何も変わっていないよ。サッカーの世界がそういうものなんだ。自信やプレースタイル、自分の力を証明しようとするモチベーションの違いだけで、がらりと変わったように見える。
――ギリシャでのプレーも悪いものではなかったと思いますが?
パフォーマンスは良かったと思う。16試合に出て、ゴールやアシストで6〜7ポイントに貢献できた。だがジェノアの状態が悪かったので代理人がクラブ側と話し合うことになった。自分もバッラルディーニ監督と話をして、イタリアに戻ると決めたんだ。迷いはなかったよ。
――バッラルディーニとはパレルモ時代に一緒でした。
お互いを理解し合っている。ジェノアで再会できて嬉しい。
――バッラルディーニに与えられた役割は、プレースタイルに合っていますか?
自分はまさに中盤の選手だからね。幅広く動くのが好きだから、どちらかと言えば中盤3枚のうちの1人が理想に近いけれど、2枚の中盤でも問題ない。「box to box」が自分のプレースタイルなのでゴールとアシストだけでなく、守備でも貢献できるはず。
――昨季のジェノアは何が機能していなかったのでしょう?
個人的な部分で言えば、シーズン開幕からユリッチ監督に主力として起用されていた。監督がマンドルリーニに代わった後も状況は同じだったけれど、ユリッチが戻ってきたら出場機会を失うことになった。サッカーとはこういうものだ。たった数日で状況が大きく変化してしまう。
――ファッションの勉強をしているそうですね。引退後はスタイリストになるとか?
そのつもりだよ。もちろん今考えているのは100%サッカーのことだけで、空いた時間にファッションの勉強をしている。
――ジェノアというチームをコーディネートするとしたら?
ストリート系だね。少し破れたジーンズにスニーカー、それと黒っぽいパーカーかな。派手な色より落ち着いた色合いの方がいい。ジェノバの人たちも全体的にそんな感じだよね。