サパタの決勝点によって敵地オリンピコでローマを下したサンプドリア。あのゴールをアシストしたのは左サイドバックのニコラ・ムッルだ。ローマ戦からの5試合すべてで先発起用されており、ストリニッチから定位置を奪った。昨年の夏市場でカリアリに支払われた650万ユーロの移籍金は、決して高いものではなかったと証明しつつある。
――ムッル、もう左サイドで絶対的な選手となったのでしょうか?
まさか(笑) 完全にポジションを確保したなんて思っていないよ。全力でプレーして、後は監督が決めること。ジャンパオロのような監督のチームだと僕たちDFはかなりの集中力が要求される。欠点もあるから毎日のトレーニングで修正していかないと。
――例えば?
気持ちを制御すること。もっと落ち着いて合理的にプレーしろ、と監督から注意されている。闘争心を抑えられなくて無駄なカードをもらうことがあるから。
―逆に長所もあります。帰陣のスピードはかなりのものだと思いますよ。
相手にゴールを与えないためにDFはいるからね。守備がうまくいったときは、ゴールを決めたのと同じくらい嬉しい。トリノ戦でもベロッティの決定機を防いだんだ。
――100mのタイムは?
測ったことないな。たぶん最初の60mが速いんだと思う。
――昔からサイドバックだったのでしょうか?
残念ながらそうなんだよ(笑) 大抵の選手はいろんなポジションを経験して、一番適した仕事場を見つけるよね。でも僕は子供の頃にサイドバックをやらされて以来、ずっとサイドバックなんだ。もしかしたらFWの才能もあったかもしれない(笑)
――サッカーをやる前は他のスポーツも?
何もやっていないよ。サルデーニャにあるセラルジウスという街でサッカーを始めて、10歳でカリアリの下部組織に入った。それからずっとサイドバックだよ。
――普段はどんな生活をしているのでしょう?
家で音楽を聞いていることが多い。金曜日の夜は映画を見るし、Netflixでテレビドラマを見ることもある。今は「ブレイキング・バッド」だね。自分では普通のつもりなんだけれど、たまに自分は変わり者なのかと思うことがあるんだ。
――どういうことですか?
僕は一切プレイステーションをやらない。興味もない。でもチームメイトにしてみれば「ゲームをやらないなんて変だ!」ってなるらしい。だから自分が変わっているのか、チームメイトがおかしいのか分からなくなることがあるんだ。
――家族はどのクラブのファンですか?
両親はユベントスを応援している。子供の頃に影響を受けたのはパオロ・マルディーニだった。
――ここまで対戦したなかで、一番衝撃だった相手は?
ミランのスソ。最初のタッチで抜かれるんだよ。彼を止めるのは非常に難しい。