オリンピコでシャフタールを下したローマが、ユベントスに続いてCLベスト8進出を決めた。1stレグの前半、2ndレグの後半で見せたパフォーマンスは質、量ともにシャフタールを完全に凌駕しており、技術と勝負強さという点でもローマが上回っていた。
しかしながらローマは試合序盤から我慢を強いられた。勝利した1stレグのアドバンテージを活かそうと守備的に振る舞うシャフタールを前に、怒涛の攻撃を仕掛けることができない。点を取らなければベスト8進出には手が届かないが、アウエーゴールを許してしまえば大量得点が必要になるという微妙なバランスでの試合運びとなった。
両チームが失点のリスクを回避しながら戦ったことで、前半45分間はほとんど得点の気配が感じられない攻防となった。先に動いたのはゴールを必要としていたローマだ。後半からディ・フランチェスコ監督は、インサイドMFで起用していたナインゴランをトップ下に配置。4-3-3から4-2-3-1に変わるトリノ戦と同じ戦術変更で先制点を狙った。
ジェコの先制点
ストロートマンの縦パスを受けたジェコが後半開始早々に先制点を決めると、ローマはシャンパンの栓が抜けたようにピッチ上で躍動し始める。情熱やアイデア、スペースといった求めるものを手にし、ペロッティやジェコに追加点のチャンスも訪れた。ディ・フランチェスコは疲労の色が濃いウンデルを下げ、ジェルソンを入れて右サイドを強化した。
最終ラインを突破してゴールに向かうジェコを、シャフタールDFオルデツが後ろから倒して退場処分となった。この時間帯から、数的優位であるにもかかわらずシャフタールの猛攻に苦しめられたローマだが、オリンピコの大声援に支えられながらゴールを死守して勝利。アウエーゴールの差でベスト8進出を決めた。
少ない決定機をゴールに結びつけ、相手のファールを誘発してチームを助けたジェコが賞賛されるのは当然だろう。だが失点を避けるというゲームプランを完遂した守備陣の頑張りも忘れるべきではない。ナポリ戦のようにGKアリソンの奇跡的なセービングに助けられたわけではない。この試合でシャフタールに許した枠内シュートはゼロである。