シャフタール戦のジェコは間違いなく主役だった。決勝点を挙げただけでなく、相手CBを退場に追いやるプレーで、ローマをCLベスト8進出に導いた。簡単な試合でイージーなシュートを外す姿も珍しくないが、大事な場面で貴重なゴールを決めるのはエースの証である。
この試合での活躍を予想していたように、ディ・フランチェスコ監督は前日会見でジェコを賞賛していた。試合終盤にはベンチに下げて、スタンディング・オベーションを受ける機会も与えた。ピッチを去るジェコにはオリンピコの大観衆から大きな拍手が送られた。
シャフタール戦のゴールで今季CL4点目。2009-2010シーズンにヴォルフスブルクで記録した個人記録に並んだ。チーム状態に引きずられるように年末から状態を落とし、冬市場ではチェルシー移籍が決定的とまで噂されたが、ジェコは最後までローマ残留を譲らなかった。
移籍騒動によって多少ナーバスになってはいたものの、復調した今のジェコにとっては過去の姿でしかない。