ローマは本来の姿を取り戻した。シャフタールを倒してCLベスト8進出を決めた数日後にアウエーでクロトーネを撃破し、インテルやラツィオとの3位争いで優位な状況を維持している。ナポリ戦から公式戦4連勝という結果を考えれば、昨年末から続いていた苦しい時期を脱したと見ていいだろう。
ディ・フランチェスコ監督はシャフタール戦から先発6人を入れ替えて、クロトーネ戦に臨んだ。試合開始直後から中盤を支配したローマはボール支配率70%を記録。前半終了間際には15本のパスを繋ぎ、コラロフのクロスをゴール至近距離でエル・シャーラウィが合わせて先制点を奪った。
リードを手にしたことでローマが後半も主導権を握るものと思われたが、それほど楽な展開にはならなかった。降格を避けようと闘争心をむき出しにして戦うクロトーネは、技術力の差を精神力で埋めようと必死の抵抗を見せ始めた。数度の決定機を作りながらもクロトーネがゴールを奪えなかったのは、GKアリソンの壁を突破できなかったからだ。
最終ラインでファシオがボールを奪われて絶体絶命のピンチに陥ったローマだが、アリソンの好セーブによって失点を免れた。アリソンはその後も至近距離からのシュートを弾き返すなどローマを窮地から救った。今季開幕から正GKを務めるアリソンは、セリエAでもトップクラスのパフォーマンスを見せており、移籍市場でも注目されている。
同点を目指して前に出るクロトーネと、後方に生まれたスペースを狙ってカウンターを仕掛けるローマという構図が後半半ばまで続く。右サイドの活性化を目指してディ・フランチェスコ監督はフロレンツィを投入。古巣対戦となったフロレンツィからパスを受けたナインゴランが、エリア外から強烈なシュートを決めてローマが勝利を確定させた。