――ディ・フランチェスコ、ローマの監督に就任しましたが、サッスオーロ時代と比べて変化はありますか?
変わったことは沢山ある。経験を積むことで成長できるわけだ。やり方は洗練されていくが、サッカーに対するアイデアは変わらない。私のサッカーは以前と同じだ。ローマでは1週間じっくり調整できることは多くない。そういう時期もあるが、代表選手が多いからね。つまり自分のメッセージを伝える時間は限られている。もっとも、裏を返せば能力の高い選手たちが集まっている証拠でもある。
――練習では11人対0人のトレーニングもしている?
もちろん。とても有効なトレーニングだ。アイデアの理解、プレーのタイミング、マークの外し方、最後のシュート……あらゆる部分に役立つ練習だ。チームには自信と、実際の試合で必要とされる解決策を与えることができる。
――4-3-3を愛用していることで知られていますが、このアイデアはどこから?
ペスカーラ時代は4-2-3-1や4-4-2を使っていた。というのも、シーズン途中からチームを任されたので、その時の状況や選手の特性を優先するしかなく、4-3-3を使うことができなかった。
4-3-3が好きなのは攻撃の局面で強みを出せるから。タイミングとスキルがあれば多くのバリエーションを作り出せるし、相手守備陣を〝切り裂く〟こともできる。さらにピッチ全域を的確にカバーできるという利点もある。
――4-3-3では3人のコンビネーションが戦術の土台になっています。もっとも基本的なのがサイドバック、インサイドMF、ウイングの連携ですが何かルールはありますか?
相手陣内に入ったらこの3人は決して同じ縦のラインに入らない。サイドで様々な形のトライアングルを作るわけだが、それぞれの仕事は別だ。選手たちは自分がどの仕事を担当するのか判断しながらプレーしないといけない。
――システムとプレー原則、どちらをベースに考えるべきなのか今では論争の定番となっています。あなたの回答は?
システムの利点を信じない者がプレー原則の話をする。同様にプレー原則を好まない人間たちはシステムを重視する。ジョークはこのくらいにして、個人的にはいくつかのプレー原則を土台にしたシステムが必要だと考えている。この2つは相関関係にあるものだ。
どういう戦いをするかは、どうやって選手を配置するかという問題にも関わってくる。例えばウイングを横方向に幅広く動かして攻撃したい。ボールを持っていない局面では彼らにカバーリングの仕事を託して相手の攻撃を阻止したい。では、それを実行するために選手をどう配置すべきか。つまりシステムとプレー原則は密接に結びついているわけだ。