7月のテストマッチで故障して以来、復帰が遅れていたナインゴランだが、今季初先発となったボローニャ戦で先制点を挙げてインテルを勝利に導いた。
開幕節でサッスオーロに敗れ、第2節では2点を先行しながらトリノに引き分けたインテル。決して褒められた試合内容ではなかったが、開幕3試合未勝利となればチームに対する批判がさらに大きくなるところだっただけに、この白星は大きい。
昨季終盤戦で課題とされていた中盤でのボール回しを改善するため、インテル上層部は夏市場で数人の選手を補強したが、現時点で大きな進歩は見られない。ダッラーラの劣悪なピッチに苦しめられたのは事実だろうが、それを差し引いてもチーム全体のパススピードは遅いままで流動性も不十分だった。
それでもナインゴランの実戦復帰はひとつの転機となるはずだ。彼のコンディションが上がり、イカルディにゴールが戻ってくればクオリティの高いレジスタがいなくてもインテルは戦えるだろう。もっとも、今のチームを見る限りでは美しいパス回しは期待できそうもない。
苦悩するインザーギ
ナインゴランの先制点によって、インテルの勝利は揺るがないものに感じられた。極端に重心の低いボローニャの3-5-2は事実上の5-3-2で、散発的に繰り出すカウンターとFWサンタンデールを目掛けたロングボールぐらいしか攻撃の糸口がなかった。
守備一辺倒だったボローニャはオルソリーニを入れて4-3-3に、さらにオクォンクォを投入して4-2-4で同点を目指したが決定機を作るには至らず、守備のバランスを崩してカンドレーヴァ、ペリシッチにゴールを割られる羽目になった。
開幕3試合未勝利に加えて、クラブ史上初となるセリエA開幕3試合ノーゴール。不名誉な記録を背負うことになったインザーギ新監督は早くも正念場に立たされている。