ボローニャ戦で今季初ゴールを記録したインテルのカンドレーヴァ。このゴールを誰より待ち望んでいたのは彼本人だろう。
昨季は多くのゴールチャンスを外し続けて、公式戦ノーゴールに終わった。ラツィオ時代から高い得点力を武器としていたカンドレーヴァにとって、点の取れない日々は大きな重圧だったはずだ。決定機を点に結びつけられない焦りがさらなるミスを呼ぶ悪循環に陥っているようだった。
そもそもカンドレーヴァはこの夏でインテルを去る可能性があった。インテルがモナコからケイタを獲得する際、交渉のカードとしてカンドレーヴァの保有権が話題に上がった。移籍が実現しなかったのは、彼がモナコ移籍を拒否して残留を選んだからである。
この夏に数人の選手を補強したことで、カンドレーヴァ本人も今季は絶対的な主力として考慮されていないことを承知している。こういう状況に陥った場合、別のクラブに活躍の場を求める選手は少なくない。だがカンドレーヴァはインテルに残って定位置争いの道を選んだ。
数ヶ月前に比べれば、精神的な負担はかなり軽くなっただろう。ボローニャ戦では後半途中から投入され、3分後に素晴らしい飛び出しからペリシッチのクロスに合わせて追加点を決めた。2017年4月のミラン戦のゴールからシュート82本。長らくゴールに見放されていたカンドレーヴァは、この1点で呪縛から解き放たれた。