現在のインテルでスクデットに値するのは、スタジアムに詰めかけたファンの数だけだろう。監督を含めたチーム全体を評価するなら、とても優勝争いに加われるような状況ではない。開幕4試合で獲得した勝ち点はわずかに4である。
土曜日のパルマ戦は、中国人グループが経営するクラブ同士の対戦となった。U-21イタリア代表ディマルコがエリア外から放ったシュートが決勝点となり、インテルはサンシーロでまさかの敗戦。スクデット争いのライバルである首位ユベントスの背中は早くも霞んでしまった。
数日後に控えるトッテナム戦を考えても痛恨の結果である。昨季を含めて直近のホーム4試合で1分け3敗とサンシーロで勝てていない。PKと思わしきハンドを見逃された不運はあるにせよ、インテルは未だにチームとして成り立っていない。
夏市場で7人を加えてチームのクオリティを向上させるはずだったが、逆にバランスを崩して昨季終盤に見られたアイデンティティまで失っている。メンタルの脆弱さは改善されず、パルマに先制を許してからも反発力の欠片すら感じられなかった。戦術上の修正は確かに必要なのだろうが、選手たちの意識も改善すべき部分なのではないか。
中盤でパスを回すサッリに近いチームを作ろうとしているスパレッティだが、高いボール支配率(前半75%、90分73%)は望ましい試合結果には繋がらなかった。昨季のナポリに比べてトライアングルの構築やスピードアップが足りず、フィジカル・コンディションも不十分。何より中盤でのパス回しのクオリティが低すぎる。
総シュート、枠内シュート、クロスの数では圧倒したものの、勝ち点3を手にしたのはパルマだった。パルマの守備はコンパクトで統率が取れており、中央にもサイドにも大きな穴は生まれなかった。今季2度目の無得点に終わったインテル。得点力不足も大きな不安を感じる要因である。