30℃まで気温が上昇したオリンピコで、ローマは痛恨のドローゲームを演じることになった。エル・シャーラウィとクリスタンテが前半に挙げた2ゴールによって、ローマの勝利は盤石なものに思えたが、後半に入ってから運動量が低下。反発力を見せたキエーボに2点を返され、試合終盤には3点目を献上する寸前まで追い込まれた。
この引き分けによってローマは順位表で中位まで落下した。開幕4試合で勝ち点5。巻き返す時間は十分に残っているとはいえ、現在の成績に納得している者はクラブ内に存在しないだろう。
サンシーロで戦術的失敗を犯したディ・フランチェスコ監督は得意の4-3-3で先発布陣を組んだが、勝ち点3には届かなかった。状態の上がらないファシオに代わり、今季初先発となったフアン・ジェズスはスピード不足を露呈。守備の強度不足を解消するため、試行錯誤を続けてマノラスの相棒を探し続けている指揮官だが納得のいく答えは出ていない。
後半途中には温存していたデ・ロッシを投入して、システムを4-2-3-1に変更したが低下したリズムを取り戻すことはできず、キエーボの攻撃を浴び続ける羽目になった。時間帯によって極端に低下するフィジカルの問題は一向に解決していない。ピッチ内外で頼れる存在だったストロートマン放出の影響は色濃く残っている。
決定機の数を考えればローマが勝ち点2を落としたという見方が妥当ではある。しかし試合終盤、ジャッケリーニのシュートに対して奇跡的な反応を見せたGKオルセンの活躍がなければ、逆転負けという最悪の結果が待っていただろう。