低調な姿を見せる国内リーグに続いて、ローマはCLでも苦しい幕開けとなった。サンチャゴ・ベルナベウで必死の抵抗を見せたものの、レアル・マドリーに3対0の完敗。GKオルセンの活躍がなければ、さらに失点していてもおかしくなかった。ローマの抵抗力が持続したのは前半だけで、後半に入ってからは技量差で上回る銀河系軍団の猛烈な攻撃を浴びるばかりだった。
レアル・マドリーと同じ4-3-3の布陣を組んだディ・フランチェスコ。デ・ロッシ、エンゾンジと組んで3枚の中盤を構成する仕事を、19歳のザニオーロに託した。ローマのカウンターを警戒するレアル・マドリーは、縦パスを出す役目を担ったデ・ロッシにモドリッチをぶつけた。攻撃ではフィジカルと技量差で勝るベイルが、コラロフの背後を執拗に狙ってチャンスを生み出した。
キックオフ直後に決定機を作られ、ボール支配率でも大きく下回ったローマだが守備一辺倒にはならず、ウンデルやエル・シャーラウィが時折カウンターを仕掛けていく。ディ・フランチェスコのゲームプランが崩れたのは前半終了間際である。イスコの美しいFKでレアル・マドリーが先制点を挙げた。
後半に入ってからのローマはピッチで怯えるばかりだった。後半開始数分後にカウンターからベイルに追加点を献上する。ディ・フランチェスコは選手交代で試合の流れを変えようと試みたが、シックとペロッティ投入も大きな変化は生まれなかった。後半ロスタイムにレアル・マドリーが3点目を奪ったが、彼らが先制点を手にした段階でこの試合の行く末は決まっていたようなものである。
数度の決定機をGKナバスに弾き返され、ペッレグリーニがエリア内での接触で倒される場面もあった。だがそれを差し引いても、異なる試合結果を想像するのは難しく、試合内容に埋めがたい差があったのは認めるしかない。CL3連覇を達成したレアル・マドリーは今季も優勝候補のひとつであり、守備に大きな不安を見せる現在のローマが競い合える次元のチームではない。