トッテナム戦を再現するように、インテルはまたしても試合終盤の決勝点で勝利を手にした。数日前のCLでは後半47分にベシーノがゴールを決め、サンプドリア戦ではブロゾビッチが後半48分に決勝弾を叩き込んだ。サンプのゴールを2度揺らしながらVARによってゴールを取り消されたが(判定は妥当)、インテルは土壇場で勝ち点3をつかみ取った。
中盤のパス回しには相変わらず流動性が不足している(今の陣容では解決しないだろう)。スペクタクル性に欠けているのも事実だが、最後まで諦めないハートは称賛すべきものだ。イカルディの開幕5試合無得点が示すように不正確なフィニッシュは心配の種だが、インテルは昨季終盤に見せた戦う姿勢を取り戻しつつある。
試合の入り自体はサンプドリアの方が良かった。キックオフ直後からリズムを作り、開始15分で5本のシュートをインテルに浴びせた。トップ下のラミレスをブロゾビッチにぶつけ、インテルの組み立てを分断するジャンパオロ監督の狙いは成功していた。
中盤の構成力不足に加え、チームから切り離されるようにイカルディが前線で孤立したことでインテルはカウンターを打ち出せなかった。スパレッティは声を枯らしながらブロゾビッチを中心に中盤を作るよう指示を出し、前半20分過ぎから展開が変わり始める。
ブロゾビッチがサイドにボールを展開し、相手のインサイドMF2人に守備の仕事をさせることで体力を削り取る。先制点かと思われたナインゴランのシュートはVAR判定によって取り消された。
VARによるノーゴール判定
後半開始からスパレッティ監督はカンドレーヴァとポリターノの位置を入れ替える。この戦術変更で存在感を発揮し始めたのがカンドレーヴァだ。左足でポスト直撃のシュートを放ち、イカルディへ決定的なクロスも送った。
インテルの圧力に押されるサンプは、ラミレスが2ラインの間でボールを受けられなくなり、2トップの動き出しも噛み合わず反撃できなくなった。
試合終盤は感情がジェットコースターのように揺れ動く展開となった。アサモアのゴールがVARで取り消され、その直後に決まったデフレルのシュートもVARによってノーゴールに。数十秒間で目まぐるしく変化する状況の中、最後に主役となったのはブロゾビッチである。開幕序盤から苦しんでいたインテルだが、トッテナム戦からの4日間で甦った。