引き分けで満足せず、試合終了の笛が鳴るまでインテルは勝利を渇望している。トッテナム戦に続いて、サンプドリア戦でも後半ロスタイムに決勝点を奪った。もっとも、ゴール自体は結果に過ぎない。試合終盤にインテルが猛攻を見せている点にも注目すべきだ。
この勝負強さは昨季のチームにも見られた。後半30分以降に挙げたゴールは17点。今季に入ってもCLを含めた公式戦6試合で5ゴールを決めていることを考えれば、単なる偶然とも言い切れない。少なくとも、「本当に試合が終わるまでインテルはゴールを狙ってくる」と、対戦相手に思わせるだけの数字ではある。
フィジカル・コンディションの向上も嬉しい要素である。15時キックオフとなったパルマ戦は多くの選手が暑さに苦しみ、後半途中に先制点を許してからはチームから抵抗力が消えてしまった。逆にナイトゲームのトッテナム戦とサンプドリア戦は、徐々に運動量が低下する対戦相手を横目に、インテルは猛烈な攻撃を仕掛けて勝利を手にしている。
試合終盤の得点力は、豊富な戦力とスパレッティ監督の起用法も関係しているだろう。夏市場での補強によって昨季より戦力は向上しており、試合の流れを変えるだけの技量を持つ選手がベンチにも揃っている。ここ2試合、ナインゴランとの交代で投入されるのはボルハ・バレロだ。
昨季の開幕序盤とは違い、絶対的な主力と見なされなくなったボルハ・バレロだが、途中出場でも巧みに試合の流れを読んでチャンスを生み出している。チーム内での競争が、試合だけでなく練習でも良い環境を作り出している。