フィオレンティーナを倒して、インテルはさらに順位を回復させた。CLトッテナム戦を含めて公式戦3連勝。開幕序盤の低調な戦いぶりから復調し、CL出場権争いに舞い戻ってきた。
フィオレンティーナにしてみれば、負けるような内容ではなかった。キックオフ直後から積極的なプレスでインテルの組み立てを阻み、ボールを保持している局面でも巧みにパスを繋いで攻撃を繰り出す。ピオリの指示を受けたキエーザとミララス、3トップの両翼がライン際にポジションを取って攻撃に幅を持たせていた。
躍動するキエーザ
前半終了間際にイカルディのPKで先制を許したフィオレンティーナは、後半開始から反発力を見せる。攻撃を牽引したのはキエーザだ。俊敏な動きと質の高いボールタッチで右サイドからチャンスを作っていく。シュクリニアルのオウンゴールを誘発したのも、エリア外からシュートを放ったキエーザだった。
同点に追いついたフィオレンティーナはその後も攻撃を続ける。立て続けに決定機を作り出すキエーザの活躍ぶりに、逆転勝利すら不可能ではないように思えた。インテルのスパレッティ監督はポリターノとケイタを投入し、ナインゴランとブロゾビッチを中央に並べた攻撃的な4-4-2で勝ち越しを狙う。
試合終盤に強さを見せるインテルはこの日も健在だった。決勝点を挙げたのはダンブロージオ。イカルディとのパス交換で最終ラインを突破し、GKラフォンとの1対1を制してゴールネットを揺らした。インテルが後半30分以降に挙げたゴールは今季7つ目である。
それまで押し気味にゲームを進めていたフィオレンティーナに反撃する力は残っていなかった。ダンブロージオにゴールを割られる前に起きたファールで、キエーザを倒したアサモアに2枚目の警告が出ていれば、試合結果は違ったものになっていたかもしれないが……。