ローマの歩みは止まらない。ラツィオとのダービーマッチで3ゴールを奪って快勝し、数日後のCLプルゼニ戦は5ゴールの大勝。開幕序盤から続いていた重苦しい空気はこの1週間で払拭され、過去の話となった。
ディ・フランチェスコはラツィオ戦と同じ4-2-3-1の先発布陣でプルゼニ戦に臨んだ。指揮官が理想とするシステムではないが、今のチームにもっとも適した並びだと判断したのだろう。負傷離脱したデ・ロッシとパストーレの代役に、クリスタンテとペッレグリーニ、2人のインサイドMFを起用しながら4-2-3-1を続けたのは、ここ2試合の流れを維持するためだ。
プルゼニ戦はローマの完勝だった。開始3分にジェコが先制点を挙げ、その後もローマは中盤を支配してゲームを有利に進める。前半終了間際にジェコが追加点を決めた時点で、試合は終わっていたようなものである。ローマの攻撃陣に対して、プルゼニの最終ラインはあまりにも脆弱だった。
後半はローマが一方的に攻撃を続けるだけの45分となった。4点のリードを奪うと、ディ・フランチェスコはテストマッチのように3人同時の選手交代に踏み切った。試合終盤にジェコが3点目のゴールを決めて、ローマが5対0で勝利した。
ペロッティ、デ・ロッシ、パストーレ、マノラスが不在だったが、そうした状況でもチームは結果を出した。再びディ・フランチェスコは選手の起用法について頭を悩ませることになるだろう。だが最適解を見つけられないまま試行錯誤をくり返していた数週間前とは状況が違う。解任の危機から脱したディ・フランチェスコはチームを掌握できている。