ディ・フランチェスコ監督の未来を左右するジェノア戦で、ローマはようやく白星を手にした。とはいえ、この試合で得られたのは勝ち点3という結果だけで、安定しない守備陣や得点力不足の攻撃陣といった問題は未だ解決していない。
自らの進退が懸かる試合でディ・フランチェスコは新布陣3-4-3を選択した。先発からシックを外し、ザニオーロを3トップの中央に配置。指揮官がシックをどう評価しているのか、この起用法から分かるだろう。ゴール前で存在感を発揮できないシックにジェコの代役を任せるより、別の解決策を探すべきだと判断したわけだ。
もっとも、基準点を置かないローマの前線は効果的な攻撃を繰り出せずに苦労していた。ザニオーロはポジショニングに戸惑うばかりで、ゴールを狙う仕事は2人のウイングに託された。
雨の影響で滑りやすくなったピッチ、試合開始10分間の応援拒否など、オリンピコの環境はローマにとって決して好ましいものではなかった。逆にジェノアはローマ守備陣の綻びを見つけて、試合序盤から鋭い攻撃を繰り返す。どのエリアよりも経験豊富な最終ラインがとりわけ安定しないのが現在のローマである。
特に不安定な姿を露呈したのがGKオルセンだ。開幕当初から新加入選手の融合に苦しんでいたローマの中で、オルセンは数少ない希望だった。だがこの日は正面のシュートを後逸してピオンテクに先制点を許した。オフサイド判定でゴールは取り消されたものの、ラゾビッチのシュートに対する反応も酷いものだった。
後半に入ってクリスタンテのゴールでようやくリードを奪ったローマだが、その後の試合運びにも苦労していた。後半ロスタイムに起きたパンデフとフロレンツィの接触は明らかなファールだったが、主審はジェノアにPKを与えなかった。今のローマの完成度では、土曜日のユベントス戦は相当に難しい試合になるだろう。