サッスオーロはサンシーロでリーグ7連勝中だったインテルを止めてみせた。多くの決定機を作りながらゴールを割れなかったのは、好セーブを連発したハンダノビッチの活躍のせいである。
人種差別的コールのペナルティとして、無観客試合を言い渡されたインテル。この日の観客席には1万1000人の子供たちが招待されていたが、ピッチ上の選手たちは低調なパフォーマンスに終始した。コッパ・イタリアを含む直近の5試合で4勝を挙げていたチームとしては、寂しい試合内容だったのは否めない。
組み立ての場面で技術的なミスが目立ち、決定機の数もサッスオーロの方が多かった。選手間で適切な距離を保てず、攻守両面で脆弱さを見せる選手たちに対して、ベンチのスパレッティ監督は声を荒らげていた。
イカルディは前線で孤立し、周囲のサポートを得られないまま潰される時間帯が続く。後半途中からナインゴラン、マルティネス、ボルハ・バレロを投入して多少は息を吹き返したものの、最後まで迫力ある攻撃は見られなかった。
中断前のリーグ3試合で10失点と不安定な姿を露呈していたサッスオーロだが、この日は安定した守備を見せた。リスク覚悟で高い最終ラインを保ち、効果的なショートカウンターを繰り出しながらインテルを苦しめた。
ボアテングがゴール至近距離から放ったヘディングシュートはハンダノビッチに弾き返され、試合終盤の決定機もハンダノビッチとシュクリニアルのブロックによってゴールを奪えず、スコアレスドローで決着。どちらが勝ち点3に相応しいチームだったかと問われれば、その答えは間違いなくサッスオーロである。