公式戦復帰を果たして以来、インテルのファンたちはイカルディの処遇をめぐって両極端な立場を取っていた。チームに混乱をもたらす元主将の復帰を歓迎すべきか否か。非難の口笛が巻き起こる一方、罵声をかき消すために一部のファンたちが喝采を送るのがこれまでの光景だった。
だがキエーボ戦は様子が違った。先発起用されながら、さしたる活躍もできず途中交代となったイカルディ。ピッチを去るエースに対して、サンシーロの観客席から一斉にブーイングが叩きつけられた。
CL出場権争いの真っ只中にいるチームの選手として、ファンたちはもう少し奮起してくれると期待していたのだろう。スパレッティ監督も同じ気持ちだったに違いない。そうでなければマルティネスをベンチに置いて、スタメン起用するはずがない。
新シーズンに向けてコンテ監督の招へいに動いているインテル上層部は、同時にイカルディの今後も決めなければいけない。ロッカールームの秩序を乱し、ファンからも目の敵にされている選手を残留させるとは考えにくい。イカルディの売却は夏市場の優先課題だろう。