ローマにおいて背番号10のシャツは特別な意味を持つ。トッティが現役を退いてからというもの、誰が10番を引き継ぐのか議論の的になっていた。現時点でもっとも可能性が高いのはペッレグリーニだと思われる。
この数ヶ月でペッレグリーニのキャリアは大きく変わった。将来を期待される若手という立場は過去のもので、今や誰もが認めるローマの心臓である。
フォンセカ監督は就任当初、ペッレグリーニは攻撃を組み立てる選手だと認識していた。だがサッスオーロ戦の活躍を見れば、彼の理想的なポジションがトップ下なのは明らかである。クリスタンテとヴェレトゥに中盤の底を任せ、トップ下のペッレグリーニに自由を与える戦い方がもっともバランスが良い。
サッスオーロ戦が行われたオリンピコには、マンチーニ代表監督の姿もあった。4-3-3を採用している今のアズーリにトップ下のポジションは存在しない。3トップのサイドで起用されているペッレグリーニは、スタートポジションこそライン際だが、実際のプレーはトップ下に近いものだ。
夜遊びをせず、家族と静かに日々を過ごしながらサッカーに集中するペッレグリーニは、ローマのファンたちからも信頼されている。背番号10を託されても彼は驚かないだろう。気後れすることなく、誇りを持ってそのシャツを身にまとうはずだ。