――ルカ・トーニ、マンチーニ監督はインモービレとベロッティを競争させる方針です。
これは監督の考え方次第でしょう。どちらかを選ぶのか、別の選択をするのか。2人に出場機会を与えるという可能性もある。本音を言うなら……
――なんでしょう?
個人的な意見ですが、センターフォワードには監督の信頼が必要です。常に何かを証明しなくてはいけないようなプレッシャーは逆効果。これはポジションに関わらず全員に言えることですが、特にゴールを期待される選手には継続性が重要なのです。
――序列の決まっていない状況は、ベロッティよりインモービレの負担が大きいように思います。
インモービレは優秀なストライカーです。特にここ数年は信じられないほどのパフォーマンスでゴールを量産しています。ただ、幸運なのはラツィオ全体が彼を活かすことを前提に組織されていることです。中盤の選手たちは、自分ではなくインモービレに点を取らせるプレーをしています。
――彼に欠けている要素は?
国際レベルでの活躍でしょう。国外のクラブに所属していた時は、ラツィオで見せているほどのプレーができていなかった。
――ラツィオのチャンピオンズリーグ参戦は、代表監督へのアピールにも繋がるでしょうか?
間違いないでしょうね。チャンピオンズリーグの舞台で世界トップのセンターフォワードたちと競争できるのです。絶対的な経験値も手にできる。これからの成長を考えると、チャンピオンズと代表チームでのプレーは貴重でしょう。
――その点で言うとベロッティは厳しいですね。
確かにトリノは優勝争いに加わるようなクラブではありません。昨季もチームの不調に引きずられてしまった部分があるように思います。それでも成長の余地はありますし、彼自身が成長を諦めてしまったとも思いません。
――あなたが監督だったら、どちらを選びますか?
まず私がセンターフォワードに要求するのは決定力です。ここで言う決定力とは1シーズンで20ゴール以上狙える技量です。ベロッティの能力も評価していますが、この条件をクリアしているのはインモービレです。
――あなたが提案したように、マンチーニも同時起用を考えているかもしれません。
選択肢としてはあるでしょう。インモービレはスペースを活かせるし、ベロッティはフィジカルの強さを武器にしています。どちらもムービングタイプのセンターフォワードです。現役時代の私とは違います。
――2人の同時起用はベントゥーラ前監督が何度も試しています。
そうです。どちらも所属クラブでは別のフォワードとコンビを組んでいるのです。インモービレはカイセド、ベロッティはザザと一緒にプレーしていますね。